2018年度 量子力学3(統合自然科学科)Aセメスター開講 量子力学GII(広域科学専攻相関基礎科学系)

火曜日2限 駒場第一キャンパス16号館1階119号室

Teaching Assistant 須貝駿貴 総合文化研究科広域科学専攻相関基礎科学系博士課程2年

更新情報

2018年10月15日 ページ作成
2018年10月16日 レポート問題1解答例掲載
2018年11月09日 レポート問題1講評掲載
2018年12月03日 講義資料(剛体球散乱) file Rigidbodypot2018Qm3.pdf を掲載
2018年12月04日 レポート問題 3掲載 全て解答し、2018年12月18日講義開始時までに提出
2018年12月25日 演習問題IV file exercise-qm3-2018-04.pdf の全てに解答し2019年01月15日17:00までに3階301B号室に提出
2019年1月28日 演習問題V file exercise-qm3-2018-05.pdf の全てに解答し2019年02月8日18:00までに3階301B号室に提出

演習問題

レポート問題1解答例
file exercise-qm3-2018-01-answer.pdf
レポート問題1答案を統合自然科教務事務室(15号館1階)にて返却中11/09-です。
レポート問題1講評 須貝(加藤)

  • 第一問について、まず、厳密解と摂動解の違いがよく分かっていない人が多いと感じた。
  • 摂動論による手法は、系が本来的に持っているハミルトニアンに弱い外場をかけるとき、解をその弱いもののべき展開で求めようとするものだ、という勘所が納得されていないように感じる答案が多かった。 摂動論でλと置いた部分はそれがとても小さい数字で、だからこそ1次までしか見ていない、またあるいは、小さいと思って1次までしか見ていなかったが2次まで見ると新たなことがわかる、というような使い方がされるものだと納得できていれば、解をλのべきで表す部分により注目して答案が書けるのではないかと思った。

  • 第二問、第三問はよくできていたように思う。

  • 第四問もよくできていた。問題の設定にやや不備があったので、ぜひz方向からx方向に変わる場合(問題の2πをπ/2とする)にも取り組んでほしい。

レポート問題2
file exercise-qm3-2018-02.pdf

レポート問題2答案を統合自然科教務事務室(15号館1階)にて12/26から返却中

レポート問題3 2018年12月18日講義開始時までに提出
file exercise-qm3-2018-03.pdf

レポート問題4 2019年1月15日17:00までに301号室に提出
file exercise-qm3-2018-04.pdf

講義日程

[第01回]09月25日(火)2限 ガイダンス、2準位系の量子力学:Rabi振動
[第02回]10月02日(火)2限 Rabi振動、時間に依存する摂動論
[第03回]10月09日(火)2限 断熱定理
[第04回]10月16日(火)2限 フェルミの黄金律
[第05回]10月23日(火)2限 第二量子化
[第06回]10月30日(火)2限 第二量子化
[第07回]11月06日(火)2限 第二量子化
[第08回]11月13日(火)2限 第二量子化・散乱問題; 補講日 
[第09回]11月20日(火)2限 散乱問題
[第10回]11月27日(火)2限 散乱問題
[第11回]12月04日(火)2限 散乱問題 講義資料file Rigidbodypot2018Qm3.pdf
[第12回]12月11日(火)2限 電磁場の量子化(正準方程式)
[第13回]12月18日(火)2限 電磁場の量子化(正準量子化、電磁場の生成・消滅演算子)
[第14回]01月08日(火)2限 電磁場の量子化;補足とオフィスアワー(質問の時間)

筆記試験は行ないません(4回のレポート答案で成績を評価します)。

講義内容:

量子力学I,IIの内容を踏まえた上で、主に多粒子系の量子力学の扱い方を学ぶ。ほぼ以下の順序で説明する予定

I 時間に依存する摂動論
§Rabi振動(〜第1回)
§時間に依存する摂動論(〜第2回)
§断熱定理(〜第3回)
§フェルミの黄金律(〜第4回)
§リーマン・ルベーグの定理

II 第二量子化
§ ボース粒子とフェルミ粒子
§ 同種粒子系 粒子交換に関する対称性
§ 場の演算子
§ 基礎ベクトル
§ 状態ベクトル
§ 物理量の第二量子化表示
§ 生成消滅演算子

III 散乱問題
§ 散乱振幅、散乱断面積
§ 干渉項と光学定理
§ 部分波展開と位相のずれ
§ 位相のずれと散乱振幅、散乱断面積
§ 低エネルギー散乱
§ 剛体球による散乱
§ 積分方程式
§ ボルン近似

IV 電磁場の量子化
§ 古典電磁気学の復習(マクスウェル方程式の電磁ポテンシャル表現)}
§ 電磁場の正準方程式(古典電磁気学)
§ 電磁場の量子化
§ 物理量の演算子表示
前提とする知識:量子力学I,IIの範囲

成績評価:期末試験とレポート課題における得点で評価

参考書:

現代の量子力学 上下 J. J. サクライ 吉岡書店
物理を専攻するつもりなら手元に置いておくべき本(これ一冊でもいいかもしれない)。本講義の範囲をカバーしている。フェルミの黄金律の箇所はこの本に沿って講義する。

Quantum Physics Stephen Gasiorowicz  John Wiley & Sons 1996
標準的教科書。アメリカで用いられる標準レベルの教科書は、教育的配慮が十分になされていると思う。散乱問題の位置づけが丁寧に書かれている

第二量子化の参考文献(北孝文 物性研究90-1(2008年4月号), T. Kita Statistical Mechanics of Superconductivity, Springer 2015
第二量子化についてはこのテキストに従っている。物性研究は学内端末からアクセスできる。