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略歴、研究経歴、論文等リスト

受験を考えている方へ

本研究室では超伝導体、磁性体、相関の強い金属の物性の理論的研究に関心のある人を歓迎いたします。このページは、本研究室での大学院生活がどのようなものかイメージしてもらうためのものです。

 

研究内容;キーワードとコメント

修士論文のテーマ(例えば、です。今から決まっているわけではありません!)

  • 銅酸化物超伝導体におけるVortex の電子状態とホール効果の理論
  • Sr2RuO4の超伝導状態におけるVortex内の準位統計と線形伝導、非線型伝導の理論
  • p波2成分Ginzburg-Landau理論に基づく、Vortex latticeの弾性体理論と集団ピン止め理論(Collective Pinning Theory)の構築
  • 低温におけるVortex Structureに対するフェルミ流体効果
  • モット‐ハバード絶縁体における非線型伝導の理論とそれへの不純物効果の理論
  • 1次元可解t-J模型(強相関電子系のモデルのひとつ)のスピンダイナミックスの厳密解

 

予想される大学院生活のひとつのパターン

私自身の大学院生活、助手時代に同じ研究室にいた人たちの研究生活を眺めた経験から私が予想する大学院生活のパターンは次のようなものです(必ずこうしなさいといっているのではありません!)。

修士1年

4月から9月ころまでは勉強期間。 週1回の研究室セミナー(輪読)、大学院の講義(物工、理学部物理)そして独習。 後半の半年のすごし方は個人差はあるが、この間に修論のテーマを決定。 勉強期間が続く場合もあるし、 修論の関連文献を読んだり計算を始めたりする場合もある。   

修士2年

この1年は研究一色、とにかく意義がありかつオリジナルな研究結果を出すべく奮励努力する。

9月か10月にある日本物理学会で研究発表。

物理工学科の修論審査(2月)は大変厳しいので研究結果、 論文の仕上がりに万全を期す。

(個人差はあるが)この1年で英文の論文をひとつは書くことを目標にする。

博士1年

前半に修論に対応する英文論文を書く人もいれば、修士2年で英文の速報論文(Letter)をすでに書き、修論の結果をさらに発展させて同じテーマ研究を続ける人もいる。 あるいは全然別のテーマを自分で模索する人もいる。 このあたりは本当に個人差が大きく平均像を描くのが難しい。 しかし博士1年の後半は多くの場合、指導教官も少し突き放して本人ひとりで研究方針、スタイルを模索させているような気がする。 そのような模索期間には、プレプリントサーバーや国内研究会、学会を利用した情報収集、他流試合(修論の内容を他の研究室、大学でセミナーさせてもらうこと)、京都の基礎物理学研究所の大学院生滞在プログラムへの参加などが研究のアイディア、きっかけをつかむ上で有効かもしれない。 

博士2年

ほぼ博士1年の後半と同じ、 つまり試行錯誤の時期。 毎月研究の進捗状況をセミナーで報告してもらいます。 この1年で研究の方向が定まらないと3年間で学位を取るのは難しくなるかも。

博士3年

夏休み前までには博士論文に十分な研究結果を出す。遅くとも9月までには博士論文を書き始める。長い執筆期間。これを就職活動と並行して行う。 この年度内にひとつは英文論文を書く。

資質?!;どんな人が大学院生活にむいているか。

個人的には、以下のような人が大学院生活に向いていると思います。

  • 新しいことに挑戦する意欲をもっている人
    (例:今まで計算機を用いた数値計算したことはなくても必要とあらば頑張ってプログラムを書いてみようと思える人)
  • (もし存在するなら)学部の卒業研究(物理工学科なら実験)をしっかりやる人
    (理論にいくのだからといっていい加減にしか卒論をやらない人はダメ)
  • 人とうまくコミュニケーションが取れる人
    (研究においては人と議論するというのは大事なことです。他の研究室の人たち、実験の先生、海外から訪問する研究者の人たちと積極的に付き合っていきましょう。研究もまた、大変人間的な営みだといえます。)

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加藤雄介
kato@coral.t.u-tokyo.ac.jp
最終修正日: 00/06/28