加藤雄介研究室加藤研究室では、物性理論(量子物性論)を専門とし、超伝導状態の物理、超流動・超固体、カイラル物質の磁性や輸送現象を中心に研究しています。
本研究室は東京大学大学院総合文化研究科(相関基礎科学系)と理学系研究科(物理学専攻)から大学院生を受け入れます。 このホームページは大学院受験を考えている方への当研究室の紹介を主な目的のひとつとしています。
研究室ニュース
カイラルな金属結晶でのスピン輸送を表面・界面の模型で扱い、1) スピン軌道結合下でのスピン依存化学ポテンシャルを用いないスピン緩和時間・スピン拡散長の定義、2) 有限の厚みをもつ非磁性金属との接合系でのスピン電荷変換効率の解析的な表式、3) 界面をあらわに考慮した正・逆Edelstein効果でのOnsagerの相反関係、の3つを理論的に明らかにしました。
一軸性カイラル強磁性体のスピン鎖の性質は半奇整数スピンと整数スピンで定性的に異なることを理論的に示しました。このトポロジカルな性質をトポロジカル不変量を用いることなく示すところが本研究の重要な点です。この研究は児玉さんの修士論文研究に基づいています。
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がpreprintとして公開されました(2022.5.31)。 [published paper PRB](2022.9.9出版されました) スピン軌道相互作用により、電場と垂直方向にスピン流が流れる現象をスピンホール効果と呼びます。本研究では、超伝導転移の前駆現象である超伝導ゆらぎがスピンホール効果に及ぼす影響を計算しました。その結果、Rashbaモデルにおける内因性スピンホール効果は超伝導ゆらぎによって増幅される一方、不純物や結晶の欠陥に由来する外因性スピンホール効果は超伝導ゆらぎにより抑制されることを示しました。
強電場下におかれた絶縁体ではLandau-Zenerトンネリングに伴うバンド間遷移・電流が生じますが、トンネリングに伴うスピン流成分に関して、今回、Berry接続による非断熱遷移確率への補正(シフトベクトル)に由来した寄与があることを見つけました。PT対称な絶縁体ではこの寄与が特に顕著となり、バンドがスピンについて縮重しているにもかかわらず、強電場下ではスピン流成分が現れることを示しました。
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